ueda nobutaka blog

夜稿百話  ブログ全リスト

第86話 エピクロスとルクレティウス 無限の原子と空虚がもたらす倫理

ドゥルーズと言えば『差異と反復』で知られる哲学者である。哲学は多様なものを多様なものとして考えることに失敗したというルクレティウスのテーゼにドゥルーズは注目する。〈自然/ピュシス〉はパルメニデスの言うように〈一なるもの=一者〉でもなく〈在る...
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第85話 識られざるもののイメージ part2 サブライムな山水と風水の残響

新石器時代の仰韶 (ぎょうしょう) 文化の遺跡にみられた貝殻で表現された龍と虎は古 (いにしえ) のシャーマンたちが異界を旅する乗り物としての龍蹻や虎蹻を想起させた。それらのトーテミズムは饕餮という魔神に結実し、青銅の表面には動物たちと山岳...
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第85話 識られざるもののイメージ part1 中国青銅器から山水へ

白川静(しらかわ しずか)さんの著作『甲骨文の世界 古代殷王朝の構造』のこの文章を読んだとき、何と格調高い文章だろうと思った。 「人間と交渉をもつ以前の自然は、単なる自然であった。物質と変化の世界に過ぎなかった。所与の世界である。その所与的...
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第84話 生形貴重『利休の生涯と伊達正宗』part2 利休自刃の真相

僕がお茶に関わったのは数えるほどしかなく、一度、煎茶の茶会を僕の個展の会場で三癸亭賣茶流 (さんきていばいさりゅう) の若宗匠だった島村幸忠に開いてもらったことがあったくらいで、茶の湯にいたっても一度だけなのが恐縮です。それは広島の長束にあ...
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第84話 生形貴重『利休の生涯と伊達正宗』part1 信長と秀吉と文化の下剋上

生形貴重『利休の生涯と伊達正宗』―茶の湯は文化の下剋上―水を運び、薪をとり、湯をわかし、仏にそなえ、人にもほどこしと、吾も飲む。 (立花実山『南方録』) 利休の伝聞を集大成したといわれる『南方録』にある言葉である。お茶をたてるということは、...
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第83話 矢部良明『茶の湯の祖、珠光』 身の丈の茶とつるぎの植木

矢部良明『茶の湯の祖 珠光』 茶の湯の創始者は村田珠光だと言うと、え?、利休じゃないんですかと聞き返される。「茶の湯の開山は、珠光である」と利休は述べたというから間違いない。何故、一般に利休の方が有名で珠光はマイナーかというと、利休と秀吉の...
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第82話 大野一雄『稽古の言葉』舞踏の風姿花伝

『大野一雄 稽古の言葉』 この人の舞踏を見ていると、16世紀のドイツの画家マティアス・グリューネヴァルトの描く手を思い出す。手が精神を越え、身体を離れて越え出ようとしている。こんな手を表現できるのは、グリューネヴァルトとこの人しかいない。こ...