ueda nobutaka blog

夜稿百話  ブログ全リスト

第48話 ノヴァーリス part1 世界のロマン化と自然神秘思想

「人類とは、我らが惑星の高次の感覚、この星を上なる世界に結びつける神経、地球が天を仰ぎ見る眼なのだ。」(ノヴァーリス『断章あるいは思考的課題』 202) 「私たちは至るところで制約なきものを探すが、見出すのはつねに物でしかない (『花粉』1...
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第47話 ヤコブ・ベーメ『シグナトゥーラ・レールム』part2 アダムとソフィアの結婚とキリストの復活 

ベーメが生きていた神聖ローマ帝国の時代、皇帝ルドルフ2世は1583年に首都をウィーンからプラハに移し、街は繁栄の時を謳歌した。ベーメが8歳ころのことである。だが、軍事的にはオスマントルコとの長い反目があり経済的にも疲弊していたし、宗教的には...
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第47話 ヤコブ・ベーメ『シグナトゥーラ・レールム』part1 味覚の闘争からイデアの沸き立つ自然へ

キリスト教神秘主義著作集13 ヤコブ・ベーメ「シグナトゥーラ・レールム」「神智学書簡」「自然の輪」収載  現在はポーランド領になっているボヘミヤの町ゲルリッツで、一人の信心深い若者が心の暗黒を彷徨っていた。彼の名前はヤコブ・ベーメという。靴...
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第46話 テオドール・シュベンク『カオスの自然学』水の精霊と水の形

今回の夜稿百話は、ついにテオドール・シュベンクの『カオスの自然学』をご紹介することにした。1986年の第一刷を読んで以来、何度もその世界に帰っていった愛読書と言っていい。矯めつ眇めつ読み返した時期が懐かしい。今回は、本書だけでなく、折口信夫...
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第45話 ソシュールの「アナグラム」とヤコブソンの「音素から詩へ」コトバの深層構造

ソシュール、ソルューシ、ルューソシ、ソーシュル。う~んなんだか変だけど面白い。そういえば、ソシアルという長年お世話になっている散髪屋さんが近くにある。関係ないか。言語学者の間では「二人のソシュール」という言葉があるらしい。一人は構造主義の元...
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第44話  川原繁人 part2 『音声学者、娘とコトバの不思議に飛び込む』コトバはどう繋がるの ?

川原繁人 『音声学者、娘とコトバの不思議に飛び込む』  音声学者の夫婦から生まれた娘の言葉、その発達過程が、どのように展開されたのかを音韻学などの観点から述べた著作です。一見、幼児の言葉の間違いと思われる言葉が、実は日本の言語の特性と関係し...
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第44話  川原繁人 part1 『「あ」は「い」より大きい !? 』音象徴とコトの葉 

川原繁人『「あ」は「い」より大きい !? 』  「あ」は「い」より大きい。なんとなくそんな気もする。malumaは丸く、taketeは角ばってる。これは、そう思える。何故か「かなまな」より「まなかな」方が言いやすい。「ガンダム」と「カンタム...