ueda nobutaka blog

夜稿百話  ブログ全リスト

第五話 『細川俊夫 音楽を語る 静寂と音響、影と光』 人は花、人は絃、人は時

聞き手 ヴァルター=ヴォルフガング・シュパーラー 人間 (ひと) は花だ、とあなたは言う、今日は乙女の胸に挿 (かざ) されて、明日は箒にかかって散るという。人間 (ひと) は絃 (いと) だとあなたは言う、ある時は優しい調べを奏で、ある時...
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第四話 D. モントゴメリー + A.ビクレー 『土と内臓』マイクロバイオーム・小さな者たちのまあるく働く社会

事の起こりは、フェイスブックで根っこ同士がコミュニケーションしているという記事をチラッと見て、後で調べようと思ったのだけれど、それが良くなかった。書名をはっきり確認してなかったし、根っこの関係で調べても、なかなか該当の本を探し当てられなかっ...
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第三話 武満 徹  part2『武満 徹 著作集』音、沈黙と測りあえるほどに

武満徹(1930-1996)  僕は、武満さんとは結局お会いすることができなかった。今から思うとお会いできる機会はあったのかもしれないのだが、残念なことだったと思う。作曲家の高橋悠治(たかはし ゆうじ)さんとは何かのコンサートの後の食事で、...
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第三話 武満 徹  part1『武満 徹 著作集』音、沈黙と測りあえるほどに

白居易(白楽天)には『琵琶行』という有名な詩があった。それが白と琵琶とを結びつける。彼は828年か829年のいずれかの年に、長安でサマルカンドの氏族の子孫であった曹剛(そうごう)の演奏を聴き感銘を受けた。そして、この楽器の多様な音を褒め称え...
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第二話 『南方熊楠・土宜法竜 往復書簡』 物/事/心/理と言葉

南方熊楠(1867-1941/南方熊楠記念館蔵)  南方熊楠、いったいどう読んだらいいんだろう。どう読むかで難儀した人は少なくない。ナンポウ、ミナミカタ、え~と、クマクスノキかな ?  これで、どこで区切るか悩み始めると知恵の輪状態になる。...
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第一話 関口裕昭 『パウル・ツェランとユダヤの傷』 メランコリアに咲く薔薇

パウル・ツェラン(1920-1970) 「彼は重力の法則を説き、証拠に証拠を重ねた。けれども耳を貸す者は誰もいなかった。そこで彼は空中に浮遊し、漂いながら法則を教えた。今度は皆が彼を信じた。しかし彼が二度と地上に舞い戻らなくても、誰も不思議...