植田信隆のブログ『夜稿百夜』の記事です。
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第57話 ミシェル・テヴォー『アール・ブリュツト』 壮麗な無関心の創造力
アーヌルフ・ライナー『カタログ』2006 GALERIE LELONG まだ、かねこ・あーとギャラリーが東京は京橋にあった頃、僕はここでかなり個展をさせてもらっていた。オーナーの金子多朔(かねこ たさく)さんが、展覧会の度に「日本の作家の...
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第56話 ハンス・プリンツホルン『精神病者はなにを創造したのか』芸術家と精神病者の世界感情
ハンス・プリンツホルン『精神病者はなにを創造したのか』ミネルヴァ書房 2014年刊 パウル・クレーはこう書いている。「‥‥プリンツホルンの素晴らしい著書をご存じだろう。われわれも全く異論はない。そこに収容されている作品を見ると、あそこに...
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第55話 『徐渭の水墨』 疾走するストローク 超越か狂気か?
徐渭(じょい)が狂気だったのか、それを演じたのか分からない。自分の墓誌銘を作り、斧で自分の頭を叩き割ろうとした。頭の骨は折れたが死ななかった。錐で耳を刺し、血は流れ続けたが死にはしなかった。ついには職人に自分の棺を作らせて槌で自分の睾丸を叩...
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第54話 亀山郁夫『甦るフレーブニコフ』最終回 3の n乗 は 死、2の n乗は 生
亀山郁夫『甦るフレーブニコフ』 1920年の終わりころ、ハリコフ (現ハルキウ) の中心部チェネヌイシェフスキー通りの路地裏にある茅屋に籠ったフレーブニコフは、『ラージン』や『ラドミール』といった詩作と時間の法則の研究に明け暮れていた。ち...
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第54話 亀山郁夫『甦るフレーブニコフ』part2 時間を操る時計師と超国家主義詩人
ヴェリミール・フレーブニコフ(1885-1922) 1911年、授業料未納でペテルブルク大学を除籍となったフレーブニコフは故郷アストラハンに帰った。しかし、すぐに飽きて放浪の旅に出てしまう。1914年、第一次大戦が勃発する3ヶ月前、ギレア...
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第54話 亀山郁夫『甦るフレーブニコフ』part1 始原を夢みる地球言語
宇宙の水を湛えるカスピ海、砂漠と水の迷宮カルムイク、ツォンカパを尊崇する土地、西洋と東洋が交差する隊商の都アストラハン。キリストとマホメットと仏陀の三角形の土地、ロシアとツラン (中央アジア) とイランの結び目。このトポスを窓としてフレーブ...
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第53話 貫名菘翁 書は如何にして学ぶべきであるか
貫名海屋 (ぬきな かいおく) こと貫名菘翁 (ぬきな すうおう) は、幕末の儒者であり、清の馮李華 (ふうりか)と陸浩 (りくこう) の春秋左氏伝に関する著作『左繡 (さしゅう) 』や超翼 (ちょうよく) が書いた読書記録形式による歴史書...